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STC Expert 過去問解説(2024年度 法令編 問題12)


STC Expert 2024年度 法令編 問題解説

2024年4月22日開催

問題12

AからDまでのうち、無償告示について、正しい説明はいくつあるか、後記1から5までの中から1つ選びなさい。

 

A 本邦にあるメーカーXは、1年前にイラクにある国連事務所に個別の輸出許可を取得して、輸出令別表第1の9の項(7)に該当する無線通信装置(1台・総価額120万円)を輸出した。当該無線通信装置が故障したので、本邦にあるメーカーXに戻して、修理を行い、イラクに再輸出する場合、無償告示第一号1は適用できないので、あらためて個別の輸出許可が必要である。

 

B 本邦にあるメーカーXは、3ヵ月前に、輸出令別表第1の7の項(16)に該当する半導体製造装置1台を、米国にあるメーカーY向けに、個別の輸出許可を取得して輸出した。その後、メーカーYから半導体製造装置内部に故障ありとの連絡を受け、1ヵ月前に当該半導体製造装置を本邦に輸入し、故障を無償修理した。修理した当該半導体装置は輸出時と仕様に変更はなく、メーカーXは、運送費用350万円を負担することになっている。メーカーXが、米国にあるメーカーYに再輸出する場合、無償告示第一号1が適用できる。

 

C 本邦にあるメーカーXは、1年前にオーストラリアにある金採掘会社Yに個別の輸出許可を取得して、輸出令別表第1の1の項(2)に該当する産業用発破器100セットを輸出した。当該産業用発破器が全て不良品だったので、本邦にあるメーカーXに戻して、新品に交換し、オーストラリアに再輸出する場合、無償告示第一号1が適用できる。

 

D  本邦にあるメーカーXは、1年前に、輸出令別表第1の7の項(6)に該当 する太陽電池セル100個(告示貨物ではない。総価額は50万円。)を少額特例を適用して、オーストラリアにあるメーカーYに輸出した。その後、故障した当該セル5個がメーカーYから返送され、先週、メーカーXが本邦に輸入した。メーカーXは同一同種の当該セル5個を交換品として、オーストラリアにあるメーカーY向けに無償告示第一号1を適用して、再輸出できる。

 

1.0個

2.1個

3.2個

4.3個

5.4個 

正解

3の2個

B、Dが正しい回答です。

解説

Aは正しい説明ではありません。

輸出許可は不要です。

無償告示第一号1には「本邦から輸出された貨物であって、本邦において修理された後再輸出されるもの」とあります。この場合はこれに該当するため、無償告示が適用でき、個別の輸出許可は不要です。

 

Bは正しい説明です。 

無償告示第一号1が適用できます。

無償告示第一号1には「本邦から輸出された貨物であって、本邦において修理された後再輸出されるもの」とあります。この場合はこれに該当するため、無償告示が適用でき、個別の輸出許可は不要です。

 

Cは正しい説明ではありません。 

無償告示第一号1は適用できません。

修理ではなく新品を輸出する際は無償告示第一号1は適用できません。

 

Dは正しい説明です。 

無償告示第一号1は適用できます。

修理には1対1の交換を含むものとする、とあるので同一同種の当該セル5個を交換品として輸出する場合は無償告示第一号1は適用できます。