International Trading 101 (貿易の知識)

貿易、輸出入について、アドバイス、経験談など。。。

STC Advanced 過去問解説(第19回、問題21)

2024年1月25日に開催された、第19回STC Advancedの問題解説です。

 

<問題21>

以下の問題文を読んで、正しい場合は「1」を、誤っている場合は「2」を マークしなさい。

 

東京にあるメーカーXは、輸出令別表第1の3の項(2)7に該当するバルブ A(1セット)を大阪にあるメーカーYから7万円で購入し、来週、米国にある 子会社Zに輸出する予定である。子会社Zでは、バルブAを輸出令別表第1の1 6の項に該当する部品洗浄装置Bに正当に組み込む予定である。部品洗浄装置 Bの初期製造時の市場価格は、100万円で、正当に組み込まれるバルブAは7万円であり、運用通達の1-1(7)(イ)の10%ルールが適用できるので、 メーカーXがバルブAを米国に輸出する場合、輸出許可は不要である。

 

1.正しい。

2.誤っている。

 

【正解】 

2.誤っている。

 

【解説】

メーカーXは、該当品であるバルブAを輸出する。

部品洗浄装置BにバルブAを組み込むのは子会社Zであるので、メーカーXがバルブAを輸出する際は、輸出許可が必要です。

STC Advanced 過去問解説(第19回、問題20)

2024年1月25日に開催された、第19回STC Advancedの問題解説です。

 

<問題20>

AからCまでのうち、正しい説明はいくつあるか後記1から3までの中から1つ選びなさい。 

 

A 輸出令別表第1の3の2の項(1)に該当するウイルスの利用(使用)に関する技術は、外為令別表の3の2の項(1)に該当する。

 

B 外為令別表の3の2の項(2)は、輸出令別表第1の3の2の項(2)に該当しない貨物の設計、製造又は使用に係る技術も規制しており、いわゆる 「はみ出し技術」を規制している。

 

C 外為令別表の3の2の項(2)に該当する設計、製造又は使用に係る技術は、 貨物等省令第15条の3に規定されている。 

 

1.1個

2.2個

3.3個

 

【正解】

1の1個

Cのみが正しい回答です。

 

【解説】

参考条文をよく読み込む必要がある問題です。

 

Aは正しい説明ではありません。

使用ではなく、設計又は製造に係る技術です。

 

Bは正しい説明ではありません。

輸出令別表第1の3の2の項(2)に該当する貨物の設計、製造又は使用に係る技術を規制しています。

 

Cは正しい説明です。

外為令別表の3の2の項(2)に該当する設計、製造又は使用に係る技術は、 貨物等省令第15条の3に規定されている。 

 

 

 

STC Advanced 過去問解説(第19回、問題19)

 

2024年1月25日に開催された、第19回STC Advancedの問題解説です。

 

<問題19>

外国為替法令の解釈及び運用について」の規定について、AからCまでのうち、正しい説明はいくつあるか後記1から3までの中から1つ選びなさい。

 

A 本邦法人の外国にある支店は、非居住者として取り扱われる。

 

B 外国法人の本邦内にある支店は、非居住者として取り扱われる。

 

C 外国法人の本邦内にある事務所は、非居住者として取り扱われる。

 

1.1個

2.2個

3.3個 

 

【正解】

1の1個

Aのみが正しい回答です。

 

【解説】

Aは正しい説明です。

本邦法人の外国にある支店は、非居住者として取り扱われます。

 

Bは正しい説明ではありません。

外国法人の本邦内にある支店は、居住者として取り扱われます。

 

Cは正しい説明ではありません。

外国法人の本邦内にある事務所は、居住者として取り扱われます。

STC Advanced 過去問解説(第19回、問題18)

2024年1月25日に開催された、第19回STC Advancedの問題解説です。

 

<問題18>

AからCまでのうち、正しい説明はいくつあるか後記1から3までの中か ら1つ選びなさい。

 

A 本邦にあるX大学に通う中国人留学生P(来日から8ヶ月目)の留学費用の全額を中国にある政府機関が出している。本邦にあるX大学が外為令別表 の16の項に該当する技術を留学生Pに提供する場合、留学生Pは特定類 型②にあたるので、キャッチオール規制の要件に該当しないか確認をする必要がある。

 

B 本邦にあるX大学に通う韓国人留学生Q(来日から8ヶ月目)の留学費用の全額を韓国にある政党が出している。本邦にあるX大学が外為令別表の16の項に該当する技術を留学生Qに提供する場合、留学生Qは特定類型② にあたるので、キャッチオール規制の要件に該当しないか確認をする必要がある。

 

C 本邦にあるX大学に通うタイ人留学生R(来日から8ヶ月目)の留学費用の全額をタイにあるゲームメーカーが出している。本邦にあるX大学が外為令別表の16の項に該当する技術を留学生Rに提供する場合、留学生Rは 特定類型②にあたるので、キャッチオール規制の要件に該当しないか確認をする必要がある。

 

1.1個

2.2個

3.3個

 

【正解】

1の1個

Aのみが正しい回答です。

 

【解説】

Aは正しい説明です。

特定類型② は外国政府等から多額の⾦銭その他の重⼤な利益を得ている者⼜は得ることを約している者です。

(⾦銭換算する場合に当該者の年間所得のうち25%以上を占める⾦銭その他の利益をいう。)

 

Bは正しい説明ではありません。

韓国にある政党は、外国政府等に含まれますが、韓国はグループAですので、キャッチオール規制の要件を確認する必要はありません。

 

Cは正しい説明ではありません。

タイにあるゲームメーカーは外国政府等ではありません。

 

 

STC Advanced 過去問解説(第19回、問題17)

 

2024年1月25日に開催された、第19回STC Advancedの問題解説です。

 

<問題17>

AからCまでのうち、遵守基準省令第1条第二号ニの「信頼性を高めるための手続」の具体的内容として、適切なものはいくつあるか後記1から3までの中から1つ選びなさい。

 

A 公開情報の定期的な確認(例えば1回/年)

 

B 輸出等に関与しない第三者の提供する情報による定期的な確認

 

C 直接訪ねる機会があれば当該機会を活用した需要者からのヒアリング

 

1.1個

2.2個

3.3個

 

【正解】

3の3個です。

 

【解説】

2022年5月1日施行の輸出者遵守基準改正です。

信頼性を高めるための手続」の具体的内容は4つあり、

上記A ,B,C,と

軍事転用や不正転売等の重大な違反があった場合や虚偽の情報提供があったことが判明した場合には契約の無条件解除や損害賠償請求を可能とする旨を輸出等の取引内容に盛り込むこと、となります。

 

 

STC Advanced 過去問解説(第19回、問題16)

2024年1月25日に開催された、第19回STC Advancedの問題解説です。

 

<問題16> AからCまでのうち、正しい説明はいくつあるか後記1から3までの中か ら1つ選びなさい。

 

A 本邦にあるメーカーXが、特別一般包括輸出・役務(使用に係るプログラム) 取引許可が適用できる輸出令別表第1の9の項(7)に該当する暗号装置 (総価額200万円)をフィリピンの警察に輸出する際、台風による人命救助に使用すると連絡を受けている場合、「届出」は不要である。

 

B 本邦にあるメーカーXが、特別一般包括輸出・役務(使用に係るプログラム) 取引許可が適用できる輸出令別表第1の9の項(7)に該当する暗号装置 (総価額200万円)を韓国の警察に輸出する際、反政府活動等に対する治安維持活動に使用すると連絡を受けている場合、「届出」は不要である。

 

C 本邦にあるメーカーXが、特別一般包括輸出・役務(使用に係るプログラム) 取引許可が適用できる輸出令別表第1の9の項(7)に該当する暗号装置 (総価額200万円)を香港の警察に輸出する際、反政府活動等に対する治安維持活動に使用すると連絡を受けている場合、「届出」は不要である。

 

1.1個

2.2個

3.3個 

 

【正解】

2の2個です。

 AとBが正しい回答です。

 

Aは正しい説明です。

人命救助のために用いられることが明らかな場合は、届出は不要です。

 

Bは正しい説明です。

輸出令別表第3に揚げる地域(グループA)は、届出は不要です。

 

Cは正しい説明ではありません。

輸出令別表第3に揚げる地域以外は、届出が必要です。

 

 

 

STC Advanced 過去問解説(第19回、問題15)

 

2024年1月25日に開催された、第19回STC Advancedの問題解説です。

 

<問題15>

AからCまでのうち、外為法第69条の6の罰金刑が科される場合について、下線部分が正しい説明はいくつあるか後記1から3までの中から1つ選びなさい。

 

A 輸出令別表第1の2の項(12)に該当する貨物(価格200万円)を無許可で韓国に輸出し、罰金刑が科される場合、3,000万円以下である。

 

B 輸出令別表第1の6の項(1)に該当する貨物(価格1,000万円)を無許可で韓国に輸出し、罰金刑が科される場合、5,000万円以下である。

 

C 輸出令別表第1の1の項(11)に該当する貨物(価格100万円)を無許可で韓国に輸出し、罰金刑が科される場合、3,000万円以下である。

 

1.1個

2.2個

3.3個 

 

【正解】

2の2個です。

AとBが正しい回答です。

 

【解説】

Aは正しい説明です。

大量破壊兵器関連貨物の無許可輸出の罰金は3,000万円以下。違反行為の目的物の価格5倍が3,000万円を超えるときは該当価格の5倍以下。

 

Bは正しい説明です。

通常兵器関連貨物の無許可輸出の罰金は2,000万円以下。違反行為の目的物の価格5倍が2,000万円を超えるときは該当価格の5倍以下。目的物の価格が1,000万円なので1,000万円x5=5,000万円以下となります。

 

Cは正しい説明ではありません。

輸出令別表第1の1の項(11)に該当する貨物の無許可輸出の罰金は2,000万円以下。違反行為の目的物の価格5倍が2,000万円を超えるときは該当価格の5倍以下。

 

ここでいう核兵器等の開発に用いられるおそれが特に大きい貨物とは、

別表第1の1の項((5)、(6)、(10)、(11)、(12)を除く)

別表第1の2の項、

別表第1の3の項、

別表第1の4の項となります。