International Trading 101 (貿易の知識)

貿易、輸出入について、アドバイス、経験談など。。。

STC Advanced 過去問解説

 

 

 

CISTECによる安全保障貿易認定試験の日程が近づいてきました。

 

STC Associate、STC Advanced、どちらも同日開催です。

 

今日は、難易度の高い(と思われる)過去問の解説をしたいと思います。

 

CISTECのウェブサイトには、過去の試験問題と回答が公開されています。

 

残念ながら、回答の解説まではされてないですね。

 

資格試験を攻略するには、過去の試験問題に慣れておくことも大切です。

 

問題を解いて、自分がなぜ正解したのか、間違えたのか、理由も確認しながら丁寧に問題を解いていくことで、確実に自分の知識となります。

 

 

過去問解説

さて、次の問題は2023年1月に行われた第17回STC Advanced、個人的に難易度の高かった問題について解説したいと思います。

 

<問題8>
AからCまでのうち、正しい説明はいくつあるか後記1から3までの中から 1つ選びなさい。なお、メーカーXは、一般包括輸出・役務(使用に係るプロ グラム)取引許可を取得している。また、輸出令別表第1の6の項に該当する 貨物のうち、告示貨物に該当するものはない。 
A 本邦にあるメーカーXは、米国にある家電メーカーYから輸出令別表第1 の6の項(1)に該当する軸受α(総価額90万円)の注文をうけた。メー カーXは、この場合、当該軸受αについて少額特例を適用して輸出できるの で、一般包括輸出・役務(使用に係るプログラム)取引許可を適用して輸出 することはできない。B 本邦にあるメーカーXは、中国にあるメーカーYから輸出令別表第1の6 の項(1)に該当する軸受α(総価額90万円)の注文をうけた。用途を確 認したところ、航続距離300キロメートルを超える無人航空機の製造に 使用すると連絡があった。この場合、メーカーXは、当該軸受αについて少 額特例を適用して輸出することができる。C 本邦にあるメーカーXは、英国にあるメーカーYから輸出令別表第1の1 5の項(6)に該当する光検出器(総価額10万円)の注文をうけた。メー カーXは、この場合、当該光検出器について少額特例を適用して輸出するこ とはできないが、一般包括輸出・役務(使用に係るプログラム)取引許可を 適用して輸出することはできる。
1.1個
2.2個
3.3個

 

回答:

答えは1.1個です。

Aのみが正しい説明です。

 

それでは理由を見ていきましょう。

A. 輸出令別表第1 の6の項(1)は100万円以下であれば少額特例が適用可能です。

したがって正しい説明となります。

 

B. 用途を確認したところ、航続距離300キロメートルを超える無人航空機の製造に 使用すると連絡があった,との記載があります。少額特例はキャッチオール規制に該当する場合適応出来ません。

したがって誤った説明となります。

 

C. 輸出令別表第1の1 5の項(6)は5万円以下であれば少額特例適用可能ですが、ここでは10万円なので適用できません。また、一般包括輸出・役務(使用に係るプログラム)取引許可も使用できません。 

これは別表Aの包括マトリックスで確認ができます。

 

別表Aはこちら。

https://www.meti.go.jp/policy/anpo/law_document/tutatu/tutatu24fy/houkatu_toriatukaiyouryou.pdf

 

→この輸出令別表第1の1 5の項で包括が使用できないという情報は、テキストには記載されていない情報だったので盲点でした。

 

 



まとめ

テキストには書かれていない範囲からの出題もあります。

つまり、わからなくて当たり前の問題も出てくるでしょう。

そんな場面でも当日は、慌てず焦らず問題を解いて下さい。

 

 

 

Good Luck!