2023年7月28日に開催された、第18回STC Advancedの問題解説の続きです。
<問題14>
AからCまでのうち、下線部分が正しい説明はいくつあるか後記1から3ま での中から1つ選びなさい。
A 本邦にあるメーカーXは、中国にあるメーカーY向けに外為令別表の2の 項に該当するプログラムαを提供する予定である。この場合、役務取引許可 を取得するのは時間がかかるため、メーカーYと事前に相談し、当該プログ ラムαを日本時間の午前1時にメーカーXの不特定多数に公開されている ホームページにアップロードした。メーカーXは、メーカーYが当該プログ ラムαをダウンロードしたことを電話で確認し、すぐにホームページから削除した。この場合、プログラムαは、不特定多数に公開されているホームページに公開されていたので、「公知の技術」にあたるため、メーカーXは、 役務取引許可は不要である。
B 本邦にある大学のX教授は、フランスにあるメーカーYと原子力発電所で使用するためのロボットの共同開発を行っている。X教授は、当該ロボット の動きを制御する機構の設計図面(外為令別表の2の項に該当)を電子メー ルで、来週、メーカーYに送る。この場合、「基礎科学分野の研究活動」に あたるので、役務取引許可は不要である。なお、当該ロボットは、1年後に発売される予定である。
C 本邦にあるメーカーXは、外為令別表の9の項に該当技術を含む市販の科学雑誌を台湾のメーカーYに提供する。この場合、役務取引許可は不要である。
1.1個
2.2個
3.3個
解答:
1.1個
Cが正しい説明です。
解説:
Aは正しい説明ではありません。
Yに提供する目的で一時的に掲載しただけなので、公知の技術にはあたりません。
役務取引許可が必要になります。
Bは正しい説明ではありません。
原子力発電所で使用するためのロボット開発は「基礎科学分野の研究活動」にあたりません。
「基礎科学分野の研究活動」とはは、自然科学の分野における現象に関する原理の研究を主目的とした研究活動です。
Cは正しい説明です。
市販の科学雑誌は公知の技術にあたりますので、役務取引許可は不要です。